症例紹介

治療された患者さんの
症例をご紹介します。

割れた奥歯の抜歯と歯科インプラント即時埋入

50代 / 男性  2023年10月26日 公開

治療前レントゲン写真
治療前レントゲン写真
治療後レントゲン写真
治療後レントゲン写真
治療内容
  • 抜歯
  • 骨造成
  • インプラント埋入
  • 仮歯 (噛み合わせ調整)
  • セラミッククラウン

患者さんは50代の男性で、ときおり顎の痛みを感じることがあるということで、ご来院されました。 お口の中を拝見すると、左下奥歯のかぶせ物から、本来は見えるはずのない土台になる歯(歯の根)が見えています。
治療の選択肢は部分入れ歯か、歯科インプラントとなりますが患者さんも初診時にインプラント治療を見越してご来院されていたため、歯科インプラントでのご提案を致しました。患者さんのご理解と同意を頂き、骨造成も行いながら約6ヶ月で機能的・審美的に優れた歯科インプラント治療を終えました。

治療ステップ

診査診断

目視に加えて、デジタルレントゲン・歯科用CT撮影で画像診断をおこないましたが、やはり一目で歯根破折が疑われる状態でした。パノラマレントゲンでも左下6番の一番後の割れが確認できます。 レントゲンでは根の周囲にある顎骨は白く写りますが、ご覧の通り破折した奥歯から細菌による炎症が進行し、周囲の骨が溶けて黒く写っていることから解ります。

平面の歯科用レントゲンだけでなく立体的な診査のできる歯科用CTでも診断しました。このように矢状断(サジタル)で見てもかぶせ物から歯の根の部分が大きく迫り出し破折していることを示しています。

コンピュターガイド(SMOP)を用いてインプラント手術を行うことで、インプラントの埋入角度や深さがシュミレーション通り正確に行うことができるため、久我山・杉並歯科杉並歯科の歯科インプラント手術では標準的に使用しています。

インプラント手術・抜歯即時埋入

今回の歯科インプラント治療の為に破折している6番を抜歯する必要がありますが、患者さんは他医院で、左下4番6番のブリッジ治療をお受けになっていました。4番はかぶせ物も土台の歯も健全な状態だったので患者さんとご相談のうえ残すこととしました。 麻酔後ではどんなにエアーや水を使っても金属屑を完全に取り除くのは難しいため、麻酔前に痛みのないよう丁寧にブリッジを切断して研磨、患者さんご自身に繰り返して嗽をして頂きました。ご覧のとおり上部構造(ブリッジ)を外すと歯根が割れていることがわかります。

その後、静脈内鎮静法による麻酔をして抜歯します。この鎮静法は一般医的に歯医者さんで言う痛みに対する麻酔とは異なり、手術の不安や怖さをとるための麻酔です。よく「うたた寝をしているような」と表現されますが、意識は保ったままぼんやりとリラックスできる点が特徴です。 写真は抜歯した奥歯です。手前の大きなものが近心根、奥が遠心根と言って二又のようになっている歯の根です。診断のとおり遠心根が破折してこのように割れていました。

歯科インプラント埋入直後の状態です。事前の治療シミュレーションと、安全な歯科インプラントの埋入を支援するコンピュターガイド(SMOP)によって計画通りに進みました。

埋入した歯科インプラント本体に蓋(シーリングキャップ)をして、縫合をします。手術箇所に、骨充填剤(ガイストリッヒ バイオオス)を併用して骨の治癒を促進します。これにより抜歯禍や骨の再生(造成)を促進します。

術後翌日です。出血が治まっていること、傷口の経過を確認することが大切です。このように血の塊(血餅)ができていることが重要です。また術後の注意点も、この時にあらためてご説明致します。

通常は術後1週間で経過観察の後、抜糸となります。翌日にみられた血の塊が白くなっているのが解ります。お口の中は湿度100%ですから固まったかさぶたが、ふやけて白くなり治癒していきます。

術後2週間目の検診では、きれいに傷口も塞がってきました。

術後4週間のレントゲンです。白く2つ見えているのが埋入した歯科インプラントです。全体的に明るく白く見えているのが骨です。インプラントの回りは暗いグレーに見えますが、この部分が徐々に骨として再生され周囲のように白くなります。埋入後、歯科イシンプラントと顎の骨の結合まで、久我山・杉並歯科では約3ヶ月のお時間を頂戴しています。できるだけ長く、安心して歯科インプラントを使用頂くために必要な治癒期間です。

久我山・杉並歯科では治癒期間の後、必ずペリオテストをおこないます。これは歯の動揺を数値化して評価する装置です。インプラントが骨と計画通りに結合しているかどうか、勘や経験に頼ること無く数値で計測・評価します。

ペリオテストの数値が問題なければ、仮歯の装着をおこないます。仮歯という言葉から「とりあえず隙間を埋める歯」と思われがちですが、実はとても大切です。 歯に欠損や不具合があると、人は無意識にお口の使い方を変えます。習慣や習癖という動作で、記憶痕跡(Memory engram)と言います。仮歯ではこの正しくない筋肉や神経の動作をリセットする期間という側面も持っています。また新しい形態の歯が、咬み合わせや発音発語、咀嚼嚥下機能に正しく作用しているか、また歯ブラシなどの清掃性、歯ぐきと臨在歯など周囲の歯との調和がとれているか確認していくためにも大切で、単に隙間を埋める「仮の歯」ではありません。久我山・杉並歯科では基本的に4週間の観察期間を用意しています。

歯科技工チームで制作したセラミックの本歯(ファイナル)です。昔はインプラントの上部構造もセメントで固定するのが一般的でしたが、今ではアクセルホールという精密な穴をセラミックに空けて、セラミックの歯とアバットメントをネジで固定します。これは残存セメントによるインプラント周囲炎のリスクをゼロにできる点、また不慮の事故などで歯が欠けたり割れた時にもネジを外すことで、インプラント本体に影響を与えずに歯を作り直すことができます。 久我山・杉並歯科ではファイナルのセット時にも仮固定の期間を1週間ほど設けています。高さ調整、咬み合わせ調整として最終確認をしたのち、アクセスホールを CR(コンポジットレジン)で埋めて歯科インプラント治療を終えます。

治療から約2年の状態です。咬合面に想定外のすり減りもなく、歯ぐきも健康なピンク色を保っています。レントゲンでも骨も正しく成長してインプラントをしっかりと支えています。今後とも患者さんご自身の努力(セルフケア)とともに定期検診を通して、良い状態を長く保てるよう私たち久我山・杉並歯科の職員も務めて参ります。 昨今は、早く、安く、簡単にできる歯科インプラントが喧伝されることもありますが、久我山・杉並歯科では、より良い予後が望める高品質の製品・術式を選択し、治療期間も見かけの早さではなく、患者さんがより長く治療した歯を使えるために必要な治療計画をご提案します。

治療費

インプラント手術 2本 600,000円
GBR手術費用 1回 100,000円
麻酔医費用 1回 100,000円
精密検査 1回 10,000円
ガイトデント費用 1回 25,000円
セラミッククラウン 2本 320,000円
ポンティック 1本 150,000円
連結費用 1回 20,000円
合計 1,285,000円 (税込 1,413,500円)

※価格は税別です。
※保険外診療による治療費用を明記しています。
※費用は、歯・口腔内の状態によって異なります。
※根管治療が必要な場合は別途費用が必要となることがあります。
※費用は治療当時のもので現在と異なりますことをご了解ください。

リスク・副作用

インプラント手術後は腫れや傷みが生じることや、内出血等による唇の変色などが一過性に出る場合があります。

治療担当

担当医師:櫻岡 直也

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