上の左右の前歯は神経の残っている歯です。写真を見るとかぶせ物の高さが合っていなく（赤線）、かぶせ物の歯茎に接している場所の丸み（青線）が一致していません。

レントゲン写真をみると、右上の歯の方が深い位置にいることが分かります。（青線）埋まっている歯の深さの左右差がかぶせ物の形に影響していきます。

まず長さを左右対称にした仮歯に置き換えます。この仮歯を使いながら今度は歯と歯茎のラインが左右対称なるように仮歯を修正していきます。今回は左上の前歯を右上の前歯に合わせる様に仮歯を調整していきました。

変化後の状態を明確にするために、調整後の仮歯も作りました。この調整によって、今回の治療に歯茎が負担になっていないか、歯磨きしやすい環境か確認していきます。普段通りの生活を仮歯でおこなって頂き、噛み合わせを含めた機能性、歯と歯ぐきの審美性に問題ないことを確認してから、最終的なセラミックに差し替えます。２つ目の仮歯を作る過程で、左右前から２番目の歯に、コンポジットレジンによるダイレクトボンディングも行いました。

最終的なセラミックのかぶせ物に置き換えます。歯科技工士さんと連携して色みや形が他の歯と調和するように、仮歯でのデータと所見から丁寧に仕上げてくれました。部分矯正や手術をすることなく機能と審美を両立した審美修復となり、患者さんにもご満足頂けました。