はじめにお伝えした通り、虫歯は決して自然に治ることのない細菌性の病気ということ。そして人のからだの中でも歯は再生することのできない組織です。放置して治ることもなければ、ちょっとしたすり傷や切り傷のように元どおりに再生することもありません。

歯科医院での虫歯治療はあくまで「虫歯によって失ってしまった歯を、代わりのもので埋め合わせている」だけで、虫歯を引き起こす原因そのものにアプローチしているわけではありません。実はその歯を将来失ってしまう「見えないスタート」を切ってしまっているという怖い側面も持ち合わせています。例えば骨折して安静にしていたら骨が元どおりくっつく「治った」と、虫歯を削って埋めため被せたりする「治った」は本質的に全く異なる「治った」なのです。